小皿料理のアイディアはお客様がくださったんです
 ご年配のお客様がお一人でさも楽しそうにお酒を飲んでおられます。料理は二皿注文しておられますが、一皿の半分くらいでおやめになっているため、さげるにさげられず、まずいのかと心配して、おそばに行っておききしました。
 「年をとってくると量的に食べられなくなってくる。この一皿を全部食べてしまうと次の料理が食べられなくなってくるから、悪いけど残してある。量が少なくて、いろいろ食べられる工夫はないものか」
 この言葉にヒントを得て、店の小皿料理が始まったわけです。